■うつコム講演会記録

名古屋 2003年9月23日(祝)

中村文化小劇場 ホール
参加者300名
講師 太田龍朗先生(名古屋大学名誉教授・北林病院名誉院長))
   上野玲(うつコミュニティ代表)

 7月の帯広から開始したうつコム講演会もこの名古屋で10回目を迎えました。そして参加者総数も1000名に越えて、ひとつの節目となった名古屋講演会です。
 名古屋では絶大な信頼度を持つ中日新聞に大きく記事が取り上げられたこともあり、会場には開始1時間以上前から入場を待つ長い列ができていました。会場は3階にあったのですが、なかなか会場側が入場を許可してくれなかったため、列は階段を伝って1階にまで延びるほどで、長い時間お待たせしてしまったみなさんには申し訳ないことをしたと思います。
 結局、入場者総数は300名に達して、会場はほぼ満席状態。これだけ人が集まったのはこちらも初めてのことなので、少々、緊張しました。
 太田先生はさすがに長いキャリアをお持ちだけに落ち着いた語り口で、時にユーモアーを交えながら中身の濃い講演をなさいました。
 特に太田先生の研究分野である睡眠に関しては、これまでうつ病の基礎知識を持っている人にも初めて聞く専門的な内容で、大変有意義でした。うつ病の身体的な症状として睡眠障害があることはよく知られていますが、その睡眠障害が起きるのは自律神経の交感神経が乱れて、表面上はげっそりとしていても、体の中は煮えたぎっているような状態にあるために起こるそうです。
 また、睡眠障害とひとくくりにしていますが、内実は不眠型と過眠型に分けられること、不眠型は全体の8割5分ほどで多く、過眠型は1割5分の割合であるそうです。また、不眠型では眠れない度合いとうつ病の症状は比例すること、不眠型は抗うつ薬などの効果が高く、昼も夜も眠くなってしまうのは薬が効いている証拠で、よくなっている兆候であることなどを指摘されました。それに対して過眠型は寝過ぎるといっても熟睡ではなく、浅い眠りがダラダラと続くこと、一部の過眠型患者さんには季節性の人がいて、秋や冬になるとダラダラと眠くなることがあるなど、眠りとうつ病の関係について詳細な解説がありました。
 さらに具体的なケーススタディを2例挙げられて、どのような環境や仕事の仕方が自殺の危険性が高いかということを説明されました。多くの臨床経験をお持ちの先生ならではのお話だったと思います。
太田龍朗先生
 上野の講演後は質問の時間になりましたが、時間内ではさばききれないほどの質問があり、一部の方々には時間切れでお答えできなかったのはお詫びいたします。次回からは質問の形式をあらかじめメモに書いて提出していただき、それを上野が読み上げて、お答えするという時間短縮方法をとろうと思います。
 いずれにせよ、今回の名古屋講演会は大成功のうちに終わることができました。地道に講演会を続けてきた甲斐があり、うつコムとしても大いに励まされました。今後も各地で講演会を続けていきますので、どうかよろしく御願いいたします。

(アンケートから)
  • 実体験に基づいた話なのでわかりやすく、とてもためになりました。
  • (太田先生の講演は)とても面白かった。時間があれば睡眠の話をもっと聞きたいと思った。
  • 患者さんの視点が少し理解できたので、参考にしていきたい。
  • 通院している娘を持つ親ですが、大変良い話を聞きました。特に頑張れとなぜ言ってはいけないのかというワケがわかりました。これからは病気と気長につきあっていきたいと思います。
  • (自分の)家族以外にも同じような症状を経験していると聞いて安心しました。
  • (先生の講演は)実体験者である私にとっては大変わかりやすく、参考になりました。
  • (上野の講演は)時間的に短く、もっとお聞きしたいと感じました。
  • 医療関係者の話はよく聞きますが、精神科の先生のお話は初めてなのでとても参考になりました。
  • (上野の講演は)とても良かった。ありがとうございました。
  • うつの子供と5年ほど付き合ってきましたが、なるほどとうなづけ、自信がわいてくる話でした。
  • これまで自分たちがしてきた患者との付き合い方が間違っていないことがわかり、今後も焦らず患者の生きる道を探していこうと思います。
  • またこのような講演会があれぱ是非、参加したい。
  • 「頭を切って落としたい」という上野氏の言葉がショックだった。そんなにつらいとは思いもよらなかった。もう少し、うつの人を理解して支えていきたい。
  • メンタル面でのケアーになった。
  • 患者との対話の方が効果があると思っていたが、薬の効果が大きいことを知ったのは意 外だった。
  • やっぱり実体験が興味深かった。今後は(患者である)父にも聞かせてあげたい。
  • 同じ仲間としてわかりやすい話でした。
  • 今日は主人に同伴してもらいました。私は主婦でうつ病です。毎日、責められているようで布団からでることもできません。そんな自分が情けなく、生きている意味がないように思えてしまいます。家族の対応の仕方をもっともっと説明して欲しかったです。
  • うつ病の歴史、分類についてよくわかった。
  • うつ病者に対する家族の対処法について理解できた。
  • (先生の)睡眠についてのお話は興味深かったです。参考になりました。
  • 家族にして欲しいこと、してもらってよかったことなどが聞けて良かったです。
  • なかなかこういう講演会には参加出来なかったので、今日は来て良かった。
  • 同じ気持ちを持っている多くの仲間がいることがわかり、安心しました。
  • 患者である主人に対してどのように接したらいいかわからず、出席させていただきました。心が軽くなってきました。長い病気とのつきあいですが、あらためて心を軽くして「頑張ろう」と思えました。ありがとうございました。
  • 私と同じ人がいると思うと何か安心してように思いました。もっともっとお話を聞きたかったです。
  • 同じような症状の方が近くにいらして、私の気持ちをわかってくださる方がいたらいいと思うので、こういう講演会などがいろいろとあるといいなと思います。今日は来て良かったです。少し気持ちが楽になりました。
  • 愚痴ることの効用、家族のメンタルケアなど参考になった。
  • 完治までのプロセスで環境を変えるとか、人格を変えるのは容易ではない。しかし、完治にこだわらず、ある程度、割り切ることの必要性が理解できた。焦らずうつと付き合うつくらいの気持ちを持つことが大切だと思う。
  • 私は過眠型で本などでは不眠の話しか書いていなかったので、今日の講演はとても参考になりました。
  • 体験談だけに自分のつらさとだぶって、泣けてきました。でも、本を読むよりずっとホッとして楽になりました。「生き方を変える」「考え方を変える」という克服法はとても参考になったと思います。家族や大事な人とのスキンシップがいいとの話も良かったです。是非、実践してもらいます。
  • (体験談は)涙が出ました。ありがとう。
  • 治って欲しいという気持ちを口に出せない家族として、治ってくれる手助けをどうしたらいいか知りたいところでした。ありがとうございました。
  • うつ病の人が多いとは聞いていましたが、実感が持てませんでした。でも、今日出かけてみて、こんなにたくさんの方がみえていて、本当に多くの人が悩んでいることがわかりました。来て良かったです。
  • 今日のお話を聞かせていただいて、自分の気持ちが少し楽になりました。
  • (患者と)どう接したらいいかのヒントがわかり、これからの生活に希望が持てました。
  • (上野の講演は)共感できる部分も多く、これからの自分の治療にいかせる話であったと思う。
  • 患者に対する家族の話では涙が出た。
  • 自分にも少し力がついてような気がします。どうもありがとうございました。
  • 実体験から得た対処、対応、考え方は素直に受け入れられる。現在も波があると話されたことは、自身もそうなので安心した。
  • うつ病の人が集まれる場所がどこにもないことがつらい。行く場所もない。家でいつも一人で生きているのか不安です。もう少しうつについて治す場所を考えて欲しい。今日はとてもいいお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
  • うつ病の人の気持ちを知ることができた。どう接すればいいかも少しはわかりました。
  • 自分の症状、経験と重なり、とても共感できた。家族の支えがあったのが自分のことを考えると羨ましいと思った。
  • 自分がうつ病になってから、このような集まりがあればいいなと思っていた。今回、この企画があり、とても嬉しく思っています。今後もこのような機会をどんどん作っていただきたい。
  • 貴重な体験談をありがとうございました。前向きな開き直りは参考になりました。
  • 感覚的に持っている知識・情報に裏付けをしてくれるような講演が聞けた。
  • 実際にうつ体験をした方のお話を直接聞いたことは初めてであり、貴重な経験と精神面に栄養を与えられ、役だった。
  • 最初、こんなに大勢みえるとは思ってなかったので、少ししか(参加者が)いなかったら帰ろうと思っていました。でも、会場一杯の人でこんなにもこの病気の人がいるのかと思い、この会に来て良かったなと思います。
  • 太田先生のような精神科医師ばかりだったら、うつ病で命を落とす人も減るのではないのかと思います。
  • 一言、一言に温もりを感じました。意義のある時間を過ごせました。
  • 薬の副作用がとても不安です。薬の数が増えれば不安も増します。でも、治ることを信じて飲むことが必要だということがわかりました。ありがとうございました。
  • 同病の会があると聞いて少し気持ちが楽になった部分もあるので、こうした会が各地にあったらとても励みになると思います。
  • 本当に自分のことのようによくわかり、すごくためになり、自分も地道に治療を続けていく勇気がわいてきました。
  • 早く病院に行った方がいいということがよくわかりました。
  • 病状にもいろいろな種類があることを知り、対応のやり方がわかりました。
  • うつ病体験者でもこなんなに元気になれるのだと先が明るくなりました。接し方も参考になりました。
  • (うつ病は)発見の病気という意識を持つことが大切だとわかりました。
  • 上野さんの経験談は胸が痛みました。つらいことがあってもプラスの力に変えてこうして多くの人に伝えていくということは素晴らしいことだと思います。
  • 私は今、受験生ですが、大学は心理学を専攻して、スクールカウンセラーになりたいと思っています。今日の先生のお話を忘れずに、これからも頑張ろうと思います。
  • うつ病を経験された方のお話はとても説得力がありました。うつ病をやわらげ、自分自身で治そうと思わないと治らないこともよくわかりました。
  • 自分も家族もうつではありませんが、周囲にはたくさんいますし、自殺してしまった人もいます。その人たちになにも出来なかったので、どう援助したらいいか、どんな声かけをしたらよいか、接し方は・・・など、知りたくて参加しました。上野さんの話は参考になりました。
  • やはり経験者だけに本当にうつ病患者のことがよくわかっていて、いいお話だったと思う。
  • うつ病の会が名古屋でも盛んに開催されるようになったら参加したいと思う。特にうつ病で会社を辞めざるをえなかった人たちと話がしてみたい。
  • うつ病でありながら、病気の認知度が低い私には、大変理解しやすく、幅広い知識を得られました。
  • 言葉ではうまく伝えられませんが、涙が止まりませんでした。
  • 精神保健福祉士の勉強をしています。兄がうつ病が原因で亡くなりました。将来は精神保健の分野に進みたいので、これからも情報などが欲しいです。
  • 大丈夫という言葉に勇気づけられたので、親がもっと心を大きく持ってこの言葉を実行していきたいと思います。

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