盛岡 2003年8月24日(日)
盛岡劇場 タウンホール
参加者30名
講師 鈴木満先生(岩手医科大学神経精神科学講座助教授)
上野玲(うつコミュニティ代表)
鈴木先生からはスライドを駆使してわかりやすいうつ病の概念説明をしていただきました。それも単なる教科書的な説明にとどまらず、「精神医療は発展途上にあり、来年、再来年には新しい治療法が確立されているかもしれない。今はできることからやっていこうというのが現状である」という、臨床現場に根ざした言葉は、鈴木先生を含め、盛岡の精神科・心療内科医の真摯な姿勢が伺えました。さらに「うつ病は画一的なものではなく、百人百様の状態を示す。それぞれの患者さんに合った治療法を考えていかなければいけない」というお話は、教科書的な参考書ではわからない「医師の生の声」として重みのあり、患者側にとっても有意義な内容であったと思います。そして最近のうつ病は複合的な要因が重なり合って発症することが多く、中でも孤独感がうつ病治療を妨げる大きな障壁になっている点をご指摘になったのは、私たちうつコムが提唱している家族や周囲の協力が大切である、という基本方針に合った内容で、おおいに心強いものがありました。
患者側の心構えとして、「診断名にとらわれず、今、何に悩み、どうして欲しいかを率直に医師に訴えることが大切」というのは、これからうつ病治療を続けていく上で大切だと思います。また、東北は全国的に自殺者のワースト5に毎年、入るほど、うつ病と自殺ということが社会問題化しているだけに、自殺について触れられた次の言葉が印象に残りました。「うつになると自殺したいという気持ちの“罠”に陥ってしまうが、それは病気がそう思わせるだけであって、患者の人格の問題ではない。死にたいと思うからといって、“自分はダメな人間だ”“劣っている人間だ”と思わないことが必要という鈴木先生の指摘は、自殺予防上、重要なポイントであると思います。

質問時間では様々な質問が次々と発せられて、予定時間を10分も超えるほどの充実度でした。それだけ盛岡という都市でもうつ病に関する情報が不足している現状をまざまざと感じることができました。
しかし、いくら私たちが告知をして多くの方に集まっていただこうと努力しても、参加者が30人しか集まらなかった大きな原因が、盛岡市役所の非協力(広報誌への告知掲載拒否等)や本来、公共放送として地元の視聴者に必要な情報を提供するのが義務ではずであるNHK盛岡が、現代社会の大きな課題であるうつ病の対策というテーマの講演会に対してもまったく関心を持たず、高校野球の中継を優先させて、テレビはもとよりラジオでも告知をしてくれなかったことなど、行政、マスコミのうつ病に対する認識の甘さを目の当たりにして、自殺者がワースト5に入る地域にもかからわず問題意識の低さが露呈したことは憤りを感じました。こうした行政、マスコミの怠慢がどれだけうつ病で苦しむ人々にとって不利益を与えているかを考えると、盛岡のうつ病患者、家族のご苦労がしのばれてなりません。このように地域社会のうつ病に対する偏見、軽視が多くの自殺者を生んでいるという現実をもう一度、盛岡市役所、NHK盛岡などは再認識して、猛省を促したいと思います。
(アンケートから)
- (鈴木先生のお話は)わかりやすくてよかった。
- (体験談は)自分も思ったことがあるので、安心して聞けた。
- 是非、またこのような機会を設けて欲しいと思います。
- (うつ病について)基本的なことを学べて良かった。
- うつ病患者の情報交換など、こういう機会が増えて欲しい。
- (体験談は)自分にだぶる話が多く、涙が出ました。
- つらい最中で孤独でたまりません。毎日、どうしていいかわからない状態です。もっと相談できる窓口が欲しい。
- (鈴木先生のお話は)わかりやすいケースの説明で良かった。
- ためになったことが多くあった。
- 同感するところが多かった。
- 丁寧でわかりやすいお話を聞かせていただき、勉強になりました。
- 「大丈夫」という言葉、「スキンシップの大切さ」、うつ病に「克つ」という意識の大切さなど、とても参考になりました。
- (この講演会は)とてもいい企画だと思います。またお話を伺いたいです。
- 貴重な体験談をありがとうございました。今後の行動の参考にしていきたいと思います。
- 「大丈夫」と「スキンシップ」という言葉が心に残った。
- 今日は思い切って講演会を聞きにきてとても得る事が多かった。(家族で)うつの人の事が少しは理解できるようになりそうです。
- うつの基本がわかりました。
- 家族の対応の仕方など、有意義な体験で参考になった。
- 開催時刻が日中であれば参加者がもっと多かったと思う。しかし、時期を得た良い企画だと思う。
- とても力づけられる内容で、自分でも(心の中で)唱えて「うつに克つ」という気持ちを持とうと思います。
- (鈴木先生のお話は)例がわかりやすく、時々、ドキっとしながら聞きました。
- 体験者の話は大変参考になりました。「大丈夫」という言葉はいろいろなとこに使えるなと思いました。
- 家族がうつではないだろうかと思ったことがあり、うつとはどんなものかを聞きたくて家族と一緒に来ましたが、大変参考になりました。
- (上野の)具体的な話がよかった。
- うつ病患者の話を聞くのははじめてですが、共感でき、自分も楽になった。
- 盛岡で講演会を開いてくださり、ありがとうございました。元気になったらに何かしらお手伝いをしたいと思います。
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