■うつコム講演会記録

青森 2003年8月3日(日)

青森市中央市民センター 講堂
参加者50名
講師 梨田忠良先生(みどり心療内科クリニック院長)
   上野玲(うつコミュニティ代表)

 講演会開催日はねぶた祭がもっとも賑わう日曜日。さらに夏とは思えない冷たい雨が降り始め、参加者の出足が心配されましたが、50名の患者、家族の方々にお集まりいただきました。
 梨田先生から静かな語り口で仮面うつ病についての解説や「うつ病は教科書通りではなく、様々な症状が現れる」ことなど、臨床に即したお話をしていただきました。特に印象的だったのは、うつ病を治療していく上で「100パーセント治ってしまう人もいるけれど、経験的にそれはごく一握りの人であって、むしろ100パーセント治ろうと焦る気持ちを抑えることが大切」と指摘されたことです。100パーセントではなく、80パーセントくらいの回復を目指して治療を続けていけば、精神的な負荷も少なく、再発も防げるというお話は傾聴に値する内容だと思います。どうしてもうつ病治療をしている人は、「〜べきだ」という考えに傾きがちです。そのため、「これだけ治療を続けているのだから、100パーセント治るべき」と思いこんでしまいます。それがかえって回復を妨げている要因にもなっているのです。もっとゆるやかな気持ちで治療に臨むこと。それがうつ病治療には必要だと思います。梨田忠良先生
 後半は上野が話をさせていただき、30分間の質問時間ではなかなか同じ病気を抱える者同士が苦労話や知恵を出し合う場がないのでどうしたらいいかといった質問や、看病に疲れ切ってしまう家族をケアする必要性など、まさにうつ病と日々、戦っている方々ならではの質問が相次ぎました。うつコムの講演会はそうした場を提供して、各地域でみなさんが接点を持つきっかけ作りになればと考えています。講演終了後、数人の参加者の方々がなにやら相談なさっていらっしゃったのはうつコムとしても嬉しい成果でした。また、上野自身も拙著をお読みいただいた方から声をかけていただき、大変、励みになりました。
 ただ、今回はお祭りと雨という悪条件に加えて、NHKによる告知がラジオのみでテレビでは行ってもらえず不十分だったせいで、参加者が少な目だったことは否めません。これは今後の告知活動をどう展開していくかを考える上で反省点として残りました。

(アンケートから)
  • 青森で初めて(うつ病の)講演会を聞くことができて大変勉強になりました。
  • 青森にもうつコムのような組織があればいいと思います。
  • これからは(患者である)娘の相談役として頑張っていきたい。
  • 体験者の話が聞けて参考になった。
  • うつ病全般について話が聞けて今まで疑問だった点が理解できた。
  • 今まで家族だけで悩んでいたので、とても参考になった。
  • うつで悩んでいる方はたくさんいると思います。気持ちを話し合える場所はほとんどないので、今回のような講演会や集まりを是非続けて欲しいと思います。
  • (先生の話は)とてもわかりやすかった。
  • (患者である)息子がうつと上手につきあって生きていけるように、母である私が「大丈夫」と思って見守ってあげること、ほどよいスキンシップをすることがとても心安らいだという話は心に残りました。
  • なにごともプラス思考で、でも頑張りすぎないで、本人も家族も気長にうつとうまくつきあっていこうと思いました。
  • いろいろなうつについて話していただき、うなづくことが多かった。
  • 実体験に基づいた話で理解しやすく、「大丈夫」という言葉がどれだけ(本人を)助けるかがよくわかった。
  • 自分自身がうつ病なので、ここ(講演会場)に来ることが少し不安でしたが、親も一緒に来てくれることができたので、良かったです。
  • 基本的な内容でわかりやすかった。
  • 経験談の中にはいくつか(自分に)あてはまることがあり、何となくホッとした。
  • 今日、(講演会に)来たことで少しだけれど気持ちが楽になった。こういう講演会も治療になるきっかけだと思いました。
  • 病院で家族会などを作って欲しい。
  • 25歳の息子に(うつ病で)自殺され、母親として何が足りなかったのかが気になり、話を聞いて自分を落ち着かせたくて来ました。思い当たることがたくさんあり、参考になりました。ありがとうございました。
  • 青森でももっと講演会を開いて欲しい。
  • 話が専門的なのにやさしく話されたので、よくわかる内容だった。
  • 満足する講演会でした。
  • うつ病からもがき苦しみ、それを克服した話が聞きたかった。
  • (うつになったら)寝てしまう話、妻がじっと手を握る話、お金の管理を妻がする話、(うつは人生の)ピットインだという話など、感動しました。
  • 難しい言葉は黒板などに書いてもらえるとありがたい。
  • 老人性うつ病等の勉強をしたいため出席しました。講師の先生方のお話を聞いているうちに、娘たちのことについても勉強になりました。
  • 臨床的な面からのお話が聞けて参考になった。
  • 夫が「軽症うつ病」と診断されました。仕事熱心な人なので、(上野の)お話とオーバーラップしてつらかったです。
  • 今日の話は家族としてどういう風に(患者に)かかわっていけばいいかという点でとても参考になりました。
  • 質問コーナーでいかに親たちの苦しみが大きいかを本当に身に染みて感じました。
  • 専門医が中心となって精神療法を行うような組織を作って欲しい。患者同士ではマイナスになってプラスにはならないと思う。
  • 自分だけがつらいんじゃないんだということは頭ではわかっていても、やっぱり本人はつらいんです。死にたくても死ねない自分が嫌になったり・・・もうずっとこのまま治らないのではないかと実は思っていますが、上野さんから勇気をもらった気がします。涙が止まらなかったです。
  • うつの人たちが集まる場が欲しいという声には賛成です。やっぱりうつはなった本人しかわからないつらさがあると思うんです。(今は)パソコンが使えませんが、パソコンが使えるようになって、インターネットでいろいろ(交流)できる日がくればいいなと思っています。
  • 今回のような講演会というのは非常に大切だと感じました。今後もどんどん増やしていって欲しいと思います。

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