■うつコム講演会記録

秋田 2003年8月30日(土)

アトリオン 多目的ホール
参加者170名
講師 苗村育郎先生(秋田大学保健管理センター教授・所長)
   上野玲(うつコミュニティ代表)

 8月最後を締めくくる講演会は晴天に恵まれた秋田でした。事前に秋田魁新報と読売新聞秋田版で記事が載ったことからか、問い合わせも多く、会場でも講演開始時間の1時間半前から入場される参加者がいるなど、うつ病に対する関心の高さが感じられました。  苗村先生はスライドを使って、うつ病の分類を説明されました。それによると、うつ病と大きくくくられているけれど、躁うつ病のもの、脳障害によるもの、反応性うつ病(過度のストレスによる抑うつ状態)、そしてアルコールや薬物によって引き起こされるうつ病など、一概にうつ病と言っても様々であるとのご説明でした。そして正しい診断と治療法を行わなければ治癒は長引くことを指摘されました。最近の傾向では、抑うつを訴えるとすぐに抗うつ薬を出して済ます医師が多い中、「背景が違う以上、治療法も違ってくる」という先生の指摘は、患者も正しく医師を選んでいかなければいけないことを実感させられました。
 また、不眠からうつ病になるケースが非常に多いことも挙げられて、不眠治療を適切に行えばうつ病も軽く済む、あるいは発症しないで済むというお話は非常に参考になりました。不眠により、体調ばかりでなく精神的にも疲弊してしまうと、生きる力を失い、絶望感に陥り、そのあげくに自殺を招いてしまうという悪循環を断つことの大切さを痛感しました。
苗村育郎先生
 質問の時間では、著名な精神科医がコレステロールをとればうつ病予防になると本に書いてあるが、本当にそうなのかという問いかけなどがあり、先生からマスコミで喧伝されているうつ病知識に振り回されないようにと注意がありました。あるいは地域の中でうつ病であるために仲間はずれにされてしまったというケースについて、どう対処したらいいのか相談したくてもできないといった声もあり、うつ病がまだまだ社会的に偏見の土壌にあることが伝わってきました。今回、質問時間は比較的、長めにとってあったのですが、それでも予定時間を10分近くオーバーするほど質問が相次ぎ、中には質問できなかった方もいらっしゃったのは大変申し訳なかったと思います。それにつけても、日常的にうつ病について相談できる窓口がいかに少ないか、行政の後ろ向きの姿勢をつくづくと感じます。今回、170名という札幌以上の参加者を得たことはとても嬉しい成果でしたが、それだけ秋田ではうつ病の患者さん、家族の方が集い、情報交換する場がないことをひしひしと感じて、私たちもますます努力していかなければならないと思った次第です。

(アンケートから)
  • 盛岡では30人だったそうですが、秋田ではこんなにたくさんの人たちが参加するとは思いませんでした。それだけこの病気に悩んでいる人が一杯いると感じました。つまり、自分だけではないと思い、少し安心しました。
  • 初めて体験談を聞き、よくわかりました。大変だったんですね。
  • 友人のお子さんが病気になった時、いろいろと聞かれましたが、上手に理解しないと返事ができないため、(今回のような講演会は)勉強になりました。
  • 薬物によるうつがあるという現実に驚いた。実は8年前からリューマチにかかり、ステロイド薬を服用しているが、ステロイドがうつ病に関係しているとはまったく知らなかった。
  • 営業職のためか、うつの状態になったような気がして、参加してみました。とても勉強になり、ありがとうございました。時には休息します。
  • (先生の)お話はわかりやすくて良かったのですが、スライドの時が小さくて見えないのは残念でした。
  • 非常に有意義な時間でした。患者の情報交換は病気についての知識を補う上で大切であることがわかった。心から感謝します。
  • (上野の)後半の対処法などが勉強になりました。
  • 今後の治療の参考(医師とのコミュニケーション)にさせていただきます。
  • (上野の)著書を読ませていただきます。講演も参考になりました。
  • またこういう機会があったら参加したいと考えています。
  • 私は今、看護学校に通っていますが、先月、精神科へ実習に行きました。精神の病気を持った人がどのくらい苦しんでいるのか、どんな思いを持っているのか知ることができて、今後の参考になりました。
  • 私はうつ病ではないですが、この病気はとても身近な病気だと思った。今、看護学生で以前に抑うつ傾向にある方のお世話をしたことがあり、どのように接したらよいか戸惑いました。だから、この病気やうつの気持ちが他人事ではなくて、自分もいつなるかわからないし、とても興味がありました。上野さんの講演はとても参考になり、良かったです。
  • 私も今、うつ病で通院していて、親近感を感じ、参考になりました。
  • 自分のまわりにはうつ病の人はいないので、わかってもらうのが大変でした。私の仕事は看護婦なのですが、その仕事柄、よけいにつらい思いをしてきました。今日、話を聞いて、これからの人生、また看護婦ではなくても自分の仕事は何をすれば一番楽か、この機会に考えていこうと思います。
  • 秋田にもホームページ以外に生で集える場が欲しい。
  • (うつ病にも)いろいろな症状があることがわかって、とても勉強になりました。
  • 講演されていた内容が自分に起きた症状とよく似ているところがあり、気持ちが支えられました。私にとって、とてもありがたい講演でした。
  • 今回の講演にたくさんの方がみえていて、同じような症状で苦しんでいるのは私だけじゃないというような、今まで持っていた後ろめたさが薄れたような気がします。これからの自分が前向きに生きていけるように、これから通院できる病院を探そうと思いました。
  • 躁うつ病とうつ病がまったく違う病気であることを初めて知った。睡眠が大切であることも知り、十分な睡眠を取ろうと思う。
  • 「大丈夫」という言葉を共感と共に大切なものとして受け止めた。
  • 今日、多数の聴衆が参集したことは、いかにこの病気に悩まされている人々が多いかを物語っています。大変有益な内容で、このような講演会をもっと数多く、多数の人々に聴かせてあげたいものです。
  • 秋田に自殺が多いのも、うつが引き金になっているためだと思います。行政ももっときめ細かな施策が必要だと思います。
  • うつ病の集いの場があるといいと思います。
  • (先生の講演は)わかりやすい内容で、こんな先生に診察してもらいたいと思いました。
  • 私も妻に大丈夫と言われて安心したことを思い出しました。
  • 具体的な話が聞けて参考になった。
  • うつ病とのつきあい方が何かをわかったような気がする。
  • うつ病とは怠け者の人がなると思っていましたが、そうじゃないとわかりました。
  • (うつ病患者が)友人にもいますし、仕事上、関係があるので参加しました。質問の多さに関心の度合いが高いこと、生活の質にとても影響があることをあらためて思いました。
  • 家族に申し訳ない、職場のみんなに迷惑をかける。こんな思いばかりにかられる時、まわりから自分の存在を認めてもらい、必要としてくれていることを知った時、光が見えた思いがあった。とても良いお話でした。
  • 患者さんの立場での体験談を生で聞けたことは、大変参考になりました。
  • 再度、機会があったらまた、こうした講演会を開いていただきたい。うつを患っている人たちには強い援護になると思います。
  • 現役の患者さんから話を聞けたのは貴重な体験でした。またやって欲しいです。
  • うつ病にとって大丈夫の一言が励みになるということを今後、実践していきたい。
  • 皆で集まり、話し合いがしたいです。
  • 涙がとまりませんでした。
  • うつ病は恥ずかしい病気ではないことがわかりました。休息することが大切だと思います。
  • うつ病を治すには前向きな姿勢が大切だと思います。現在、通院していますが、治したいということが空回りしてしまって、焦ったりしています。焦らないことが大事だと思います。
  • 一年に一回くらいは開催してもらいたい。
  • まだまだうつを話せないことが多いのですが、人に話せるように気持ちを変えようと思います。

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