A4:うつ病にな
るとどうしても考え方がマイナス思考になります。ですから、生活が変わるような大きな決断をするのはタブーです。具体的には次のような事柄が挙げられま
す。
引っ越し
うつ状態が悪化してくると、今までの生活がすべていやになって、なにもかもを捨て去りたい気持ちに傾きがちです。しかし、うつ状態はマイナス思考がぐるぐ
ると繰り返しているようなものですから、的確な判断ができません。ですから、大きな決断はしないようにしてください。たとえば、引っ越し。「環境が変われ
ば気持ちも新しくなって気分が上向くかもしれない」と考えるかもしれませんが、たとえ住む家が変わり一時的に気分が上向いたとしても慣れるにしたがってま
た落ち込みはやってきます。それに「とにかく引っ越せばいい」と考えて転居先を決めてしまっては家の間取りや交通の便などが二の次になって、一緒に暮らす
家族も困ってしまいます。結果的に引っ越しをしても何の解決にはならないと思ってください。
転職
仕事についても同様のことが言えます。うつ病になると手慣れた仕事でもどれから手をつけていいのか仕事の優先順位がつけられなくなります。そのため、仕事
はどれも中途半端になってしまい、ミスも重なり、自分が無能になったような無力感にさいなまれます。それまでは有能な人材として評価されていた人ならばな
おさら自分の不甲斐なさに耐えられなくなるものです。だからといって、「もう会社にはいられない」と絶望したり、「新しい仕事ならなんとかできるのではな
いか」と転職を考えることがありますが、基本的にうつ病の時はなにをやってもダメなものはダメなのです。いくら転職してもまた同じ失敗を繰り返して、一
層、自分に絶望するだけのこと。安易な転職は自分を追いつめるだけなので絶対にしないように。
離婚
対人関係が煩わしくなるのもうつ病の特徴です。ただ、複雑なのは本当に頼れる人にはずっとそばにいて欲しいという気持ちも一方にはあるので、放っておいて
欲しいと思う気持ちと板挟みになってこころが揺れてしまいます。さらにうつ病の厄介な点は、頼りたいと思っている人に迷惑をかけているのではないか、いつ
も憂鬱にしているのは相手にとって不快なんじゃないかと疑心暗鬼に駆られてしまうことです。そのため、恋人や配偶者など、本来は一緒にうつ病と戦って欲し
いと思っている人と別れたほうが相手のためと誤解してしまいがちになります。しかし、別離や離婚をすればますます自分を孤立化させて精神的に窮地へ追い込
むことにつながるので早計な判断は禁物です。
自殺
うつ病でもっとも注意しなければならないのは自殺への誘惑です。気持ちが落ち込み、なにをやっても無力感にさいなまれてしまうと、自分の存在そのものが申
し訳なく感じられてきます。さらに不安感やイライラ感などが続くと、「いっそ死んでしまったほうが楽になる」と自殺を考えるようになってしまうのです(こ
れを希死念慮といいます)。もっとも、症状が最悪期には自殺行為を行う気力もないのですが、寛解期に入って少し気力が出てきた頃は要注意。まだ精神的に不
安定な時期だけに、良くなったと思っていた翌日にはまた落ち込みが激しい、ということがあります。その時、「やっぱりもう良くならないんだ」と絶望して、
発作的に電車に飛び込んだり、ビルから投身自殺してしまうのです。もし、自殺の誘惑を感じたら、今まで一緒にうつ病を治そうと努力してきてくれた周囲の人
々のことを頭に浮かべましょう。死ぬのは簡単です。でも、自殺されて悲しむ人がいることは決して忘れてはなりません。それに自殺はうつ病に負けたことにな
るばかりでなく、なんの解決にもならないことを肝に銘じてください。
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